ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

第57回広島県高等学校総合演劇大会 感想2

2017/11/12 sun しまなみ交流館テアトロシェルネにて

9:30  呉港『二年前の君に言いたい』

10:35  沼田『ちいさいたね』

11:40  誠之館『真の芯は芯だが針としてしまいがちなのが真』

14:25 三原『羽』

 

2校目。

これみたことあるなー、と思ったら、全国大会に出てたと・・・

テレビで見たのかな。

昔の顧問の先生が書かれた作品を今の顧問の先生が潤色。

そして・・・今回中国大会出場の八月五日を書いた先生。

昔、舟入にもいらっしゃった先生なのかな?

生徒を率いて強豪に鍛え上げる名物顧問の先生なのでしょうか。

そしてこの先生は毎年新作を書かれているのかしら。

だとしたらものすごい。

内容に触れます。

 広島市立沼田高等学校『ちいさいたね』 作:黒瀬貴之 潤色・脚色:松本誠司

 

広島では必ずある戦争もの。

まず役者さんの声がすごい。よくとおる!

とくに俊夫くん。

しっかり出している声ももちろんなんですが、そんなに張り上げていない声もよくとおっていて、関心してしまいました。

章君もよく通る声だったけど、たまに何となくちょっと聞き取れない言葉があって、

それが何でだったのか・・・。

男の子風にちょっと声を低くしていたからなのか、ちょっと早口だったからなのか、聞きなれない言葉をしゃべっていたからなのかな。

色んな要素が重なってかな。

はきはき喋ってるし声も大きかったのに、そこが不思議でした。

 

ミュージカル調、びっくりしました。

コロスたちがいい意味で無個性で、一体感があってすごかったです。

みんなそれぞれ違う動きをしていても、統一感があって、よく稽古されてるんだなと。

そしてみんな笑顔。ただ、その教育テレビ的な笑顔とノリがちょっと怖かったな。

「原爆孤児の想像」にしては妙なノリ。爽やかに元気すぎるというか。

もう少し、弱弱しいピュアさがほしかった気がします。

そして、そのミュージカル部分が前に出てきすぎていて、正一君の印象が弱い。

主役・・・?という感じ。

 

衣装とか小道具とかも、きちんと作りこんできていましたね。

そういう細かいところがちゃんとしているとみててうれしいです。

お布団とか衣装のボロボロ感とか。

お鍋はもうちょっと汚くても良かったかな?

 

最後の、死んでしまった三人が後ろを向いた後の逆行、美しかった。

高校演劇の照明って「あー、演技の邪魔しちゃったな」と思うことが多いんですが、

あれは本当に効いている照明!

あのあたりのシーンの3人の立ち姿も良かったですね。

俊夫君がおなかのあたりの服をつかむ立ち姿、弱虫な子の立ち方だなって

ぱっと見てわかるの、上手だなと思いました。

役者さんたちみんな、細かい動きまでちゃんとそのキャラクターとして存在していて。

本当にみんな達者だな~と。

基礎、地力がある学校はやっぱりレベルが違いますね。

安定感抜群の舞台でした。

近くにいた人が、終演後に「油断してたわ〜」って涙声で言ってたのが微笑ましかったです。

全部の学校観てないですけど、これで中国大会行けないのは、高校演劇のレベルってすごいですね。