ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

文体練習/レーモン・クノー 朝比奈弘浩 訳 感想

小林賢太郎さんの愛読書と聞いたことがあって。

図書館の書庫から引っ張り出していただきました。

 

以下、内容に触れます。

 なるほど、文体練習。

思ったより一つ一つが短くて、そしてとにかく種類が多い!

よくぞここまで、と言う感じ。

ふむふむ、というものがあれば

いやいやそれはむちゃくちゃ、とつっこみたくなるものもあり、

確かに小林さん好きそうだなあと思いました。

嗅覚のあいうえお順に匂いを表すのは

ラーメンズのとあるコントが浮かびますね。

もとはABCだった様子。

 

個人的には小説のようにストーリーがある本じゃないと

なかなか読み進められないので時間がかかってしまいました。

 

それにしても、作者さんももちろんすごいけど

訳をされた朝比奈さんのすごさ。

これを翻訳しようと思うことがもはやすごいです。

それなりにそのまま訳せるものもあるでしょうが、

ニュアンスだけ残して全とっかえってことも。天晴。

『この方法で九四行を訳し切る勇気はなかった(引用)』

というような文体もあり。

確かにな、と勇気よ言う言葉のチョイスに笑ってしまいました。

変えるも勇気、変えないも勇気。

 

らぞなぞね、は最初よくわからず、解説を読んでなるほどと。

 

なかなか特殊な本でした。