ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

しろいろの街の、その骨の体温の/村田沙耶香 感想

村田沙耶香さんの本なら持ってますよ、と貸してもらって。

 

以下、内容に触れます。

 この人はコンビニとか、街とか、そういうものに

いのちを感じるのだな、と。

 

伊吹君が眩しすぎる。

女の子はエピソードをくれる男の子を好きになる、というのは

本当にその通りだなと思いましたが、

本当にこんなエピソード振りまき天然男は・・・

好きになっちゃいますよねえ。

主人公を自然の中に連れて行って、

いやだと言われても怒るわけでもなく、

だめかあ、となる、その真っ直ぐさが本当に眩しい。

 

この作者さんなのでハッピーエンドとは限らないなと思って、

伊吹君とはどうなるのだろうと思ったけれど、

きちんと気持ちが言えてよかった。

なにも言えないままもう二度と会えなくなってしまったら

どうしようかと思いました。

嫌いと言われても、それでもよかった。

 

信子ちゃんの存在が秀逸でした。

いるいる、こういう子。

「秘密の話」って単語とても懐かしいですね。

すこし格下の信子ちゃんと話していて気持ちがいいって、

酷いようだけどそれを自覚しているだけでもすごいなとおもいました。

結構みんな無自覚に人を見下してしまうと思う。

 

スクールカーストというもの。

あれって本当に、顔じゃないんですよね。

主人公が馬堀さんより自分の方が点数が低いというように、

顔の純粋なつくりではなくて

明るさ、ちょっとした悪さ、無自覚さ、動き、

色んなものが作用した順位。不思議。

 

母親の

「あんたくらいの子は、自分のことを世界で一番醜いと思ってるか

可愛いと思ってるか、どっちかなんだから(抜粋)」

は、的を射ていると思う。