ネットで見かけて気になっていたけど人気で図書館の予約順がなかなか回って来ず。
やっと読めました。
以下、内容に触れます。
もっとひねくれてる感じの本なのかなと思っていたのですが
案外そうでもなく。
面白いことをかこう!とか変わった人感!という感じではなく
一人の人の思考、みんなそれぞれ脳内ではとっ散らかった思考しているけど
それが外に出ていないっていう部分を丁寧に順に描いておっている感じの本。
お店の複雑なメニューの電子化に店員がついていけていない、というお話。
あるある。
多分紙メニューでしっかり慣れたうえで急に導入されて
ついていけてないやつ。
今口頭でやっちゃえば早いだろうに、その端末で、みたいに言われると
お互いストレスだったりしますよね。
電子化って便利なようで、ややこしくなってるだけの時、ある。
確認せずに忘れ物を多発してしまう話。
「常にうっすら”毎回確認すること”のストレスがあるくらいなら、忘れ物をしてしまう方がよっぽどマシだと思ってしまっている。(抜粋)」
これすごく納得しました。
自分の感覚を言語化してもらえた気持ち。すっきり。
忘れ物に限らず、もちろんミスはしたくないと思って生きているんですけどね、
確認作業のだるさにそれとなく負けてしまう感じ。
遠い親戚のおじさんが仕事のことに口出しをしてくる、
多分サラリーマンだったらそんなことしないのに、自分が芸人だからっていうお話。
なんかテレビとかで見てるから自分もわかったような口聞いちゃうんでしょうね。
あと自分の近い業種の人にやりがちだったり。
近いけど違うものは違う、相手はプロで自分はプロじゃない、
そういう敬意をもって人に接していきたいものです。
もやもやを抱えていたら、それを父が言語化してくれて
「そ-だよね!!?」と叫んだシーン。すごくよくわかります。
いうほどでもなかったり、言っちゃいけないかなと思っていることを
誰かが言葉にしてくれた時の気持ちよさ。
その人は悪くないのに、いやな目にあって、
でも性格上遠慮して丁寧めに控えめに愚痴を言う人に、これやってあげたい。
かわりに言ってすかっとさせてあげたい。
相方の澤部さんに中身がないという話。
何のかんの書いているけれど
「皆、澤部に踊らされているのである。(抜粋)」
に笑ってしまいました。きもちがいい。
岩井さんは澤部さんのこと大好きなんだなって思いました。
こんなの相方の事たっぷり考えてないと書けない話だし。
文章は「しっかり咀嚼してくれるので繊細な味付けも楽しんでもらえるようだ(抜粋)」
のだそうで。
確かになあと思います。
動画とか気軽だけど、やっぱり自分の気持ちを整えながら読むのは文章が気持ちよい。
ただ咀嚼に耐えうる文章力があってこそ書けることなんでしょうけど。
自分の何も起きない素朴な人生を角度を変えて楽しむっていうのは
人生を生きる上で何より自分を幸せにしてくれることなんだろうなと思います。