ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

ぶた草の庭 感想

MONOさんが期間限定公開ということで。

今の時代にあってるというお話も聞いて楽しみに観ました。

 

以下、内容に触れます。

 面白かった・・・。

楽しい、愉快という面白さではないですが。

もちろん笑えるところもあったのですが、いろいろ考えさせられる、

本当に時代に合った舞台。

2015年の舞台だそうですが、初めは老人だけが死ぬ、

若者は大丈夫という希望があったけれど実は若者にも・・・

という何とも本当に今にリアルに響いてくるお話で。

 

相当序盤のコメディな部分で

「俺のせいだ」っていわれたら「そんなことないよ」って思えるけど

「俺のせいじゃない」っていわれると「お前のせいだ」って思っちゃう

っていうところ、面白おかしくしてたけど、真理だと思った。

こういうことってよくありますよね。

 

夫婦再会で、好きな人が出来た妻が責められてはいたけれど、

たしかにもう二度と会えないと思っている状態で

1年たって、別の人を好きになることなんてあり得る。

そして「黙っててくれればよかった」という気持ちもわかるけれど

偽りの夫婦愛で死ぬまでだましてあげるのが幸せかもしれないけれど

逆に死ぬまで嘘をつき続けるのもつらいでしょう。

死ぬのがいつかもわからないまま。

 

好きだった人を好きだった気持ちを忘れ、

好かれていた方は応えなかった好意がなくなって、別に構わないはずなのに

つらい。

好きだった人を好きじゃなくなった気持ちを忘れ

好かれたかった人は幸せなはずなのに。

なにかおかしい感じ。

 

未来の日記を読んでいくシーン。

幸せすぎる未来が切なかったです。

ぶた草で薬ができる未来。

 

わからないんだ、というシーンがとてもよかったです。

どうしたらいいのか、怒ったほうがいいのか、

どう感じどう動けばいいのか

考えていられないときだってあるし

考えていられない人だっている。

怒れないこともある。

例え怒ることが健全なのだとしても。

 

虫に噛まれたら、あるいは、という一瞬の兆し。

あれであの人たちがみな救われればいいのに。