ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

いのちの車窓から/星野源 感想

以前星野さんのエッセイを読んで面白かったので。

以下、内容に触れます。

 前読んだものよりスッキリしている、というか。

笑わせよう、ふざけよう、というものよりは

ありのままを、というようなエッセイ。

個人的には以前のコミカルな感じの方が好みだったのですが、

星野さんのことを深く知るにはとても良い本かと。

あとがきで星野さんも、伝えたいことを昔は何とか伝えようとしていたけれど

今はありのままに、と書かれていますね。

 

料理屋の陽気なおじさんとであって、

「ひとりになり、ふと自分がニコニコの笑顔になっていることに気づいた(抜粋)」

こういうの、あるある。

気づいたら笑顔の自分って、ちょっと恥ずかしいけれど、とても幸せですね。

それにしてもこのおじさんも、星野さんの文字での再現も素敵。

「あのジューって音が止んだら(大きく息を吸って)チャーハン出てくるから!(抜粋)」

おじさんの台詞自体も素敵ですが、大きく息を吸ってっていうト書きが

とてもいい仕事をしている。

 

人見知り、というのは自分がコミュニケーションをとる努力を放棄している

宣言だとおもって言うのをやめた、という話。

わたしも昔は自分が人見知りだと思っていたのですが、

そういうのって慣れもありますよねえ。

人見知りだと言って相手に任せて黙っていてはいつまでたっても変われないのかなと、

恥ずかしかったりしんどかったり困ったりしても、

自分から勇気をもってつっこんでいけばだんだん慣れてくるものなのかな、と思います。

 

それにしても星野さんは、人の事を素敵に描くのが上手。

多分ご本人が、他人のいいとこ探しが上手なんだろうなあ。

特に、私がそもそもファンだからというのも相まって新垣結衣さんのお話が好き。

「ただ相手のテリトリー内に侵入することは決してない。

ニュートラルな状態でただそこにいる(抜粋)」

いいですね。威圧せず、侵入せず、だけど気が利いていて、笑顔で、

ニュートラル。すてきで普通な女性。

 

二冊目も出るのかしら。