芥川賞をとった推し、燃ゆ。
賞をとる前からよく見かけていて、推しがいる身としては読まねばと。
以下、内容に触れます。
私はアイドルにはまったことはないですが、それでも、やっぱり誰かを推すという気持ちは同じだなと、共感する点がたくさんありました。
「推しは、いつか引退したり、卒業したり、あるいはつかまったりして急にいなくなる(抜粋)」
そうなんですよね、たとえ推しが自分の世界の軸になっていても、いつ何が起こって自分の目の前から姿を消してしまうかわからない。
だからこそ推せるときに推さねばと思います。
「原作本は予習のために買っていたけど(でも初日は先入観のない状態で観たかったから初日が終わった後に読んだ)(抜粋)」
こことかめちゃめちゃ共感でした。
そう、どの状態で観ればこの舞台を最も楽しめるのかって色々試行錯誤するんですよね。
原作が先か、後か、もしくは舞台、原作の後もう一回舞台か。
「勝手にみじめたと言われるとうんざりする。あたしは推しの存在を愛でること自体が幸せなわけで(抜粋)」
これ、本当にそうで、今まで世の中で言われていた幸せばかりが幸せではなくて、
本人が良ければそれでいいんです。
自分も、つい自分の幸せの定義とはずれている人にはいらぬことを言っちゃうことあると思うんですけど、気を付けたいと思います。
こういうことを書かれている本がたくさんの人に読まれるというのはいいなあと思います。
ごたごたがあった後の人気投票。最下位になった後の主人公の推し君が、
あれだけのことがあったのにこんなに票を入れてくれた人がいるのがありがたくて、
期待に沿えなくて申し訳なくて、だけど一票一票の重さを受け取りましたって。
すごくちゃんとしてる素敵なコメントで、推せる!!って思いました。
電車なんかで移動している人や、待合室で待っている人は、じっとしているけれども
何かをしている安堵感で包まれている、という話。
納得。
確かに、一日じっと家にいたらつい焦ってしまうけれど、もし一日何らかの待合室で待たされていたら・・・焦りはしないかもしれない。
推しへのかわいいは「かわいい七つの子があるからよ」と同じ意味合可愛いであると言っていたシーンが途中であって、それから最後の情景描写での
「からすが鳴いていた。」
に痺れました。
推しはどうしたってかわいい。
かかも評判良さそうなので読んでみたいなあ。