ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

蜜蜂と遠雷/恩田陸 感想

恩田陸さん、チョコレートコスモスの音楽版ときいて、

チョコレートコスモス面白かったので気になっておりました。

賞とってしょっちゅう平積み見かけるし。

装丁が綺麗ですよね。

でも、蜜蜂じゃなくてはちみつだと思ってました。

 

以下、内容に触れます。

 相当分厚いからこれは読むのに時間かかるぞ、と思っていましたが

スルスル―っと読めました。

メインが四人、四人とも魅力的。

色んな人の視点から。主観がころころ変わる話。

こういうのは感情移入しにくいけれど、

芸術性を伝えるためにこの本についてはこれがベストだなと。

この人の目線の話はいらないなーとか思わず読めました。

 

それにしても、大体天才とそれ以外の話になりそうだけど、

メインがみんな天才。そしてタイプが違う。

 

個人的に亜夜ちゃんを応援していたので優勝してほしかったけど、

一度離れて、今回気づきを得た彼女よりも

ずっとずっと向き合い続けていたマサルが優勝するのは

まあそうあるべきかなとも思いました。

 

明石さんが菱沼賞とったのが嬉しかったです。

彼が報われてよかった。

この人のピアノを聴いてみたいなと思いました。

ただ、これきりだといっていたのにここから音楽家になるという決意、

ストーリーとしてはアツいけど、現実的には

家族のサポートも大変だし、

妻も応援はしてくれてるだろうけどしんどい道になるだろうなと

リアルなことを考えてしまいました。

 

塵くんと通じ合った亜夜ちゃん、マサルと似たところのある亜夜ちゃん。

でも、明石さんと泣きながら抱き合ったところが、とてもきゅんときました。

二人が出会えてよかったです。

 

また彼ら四人が音楽家として再会して、一緒に演奏できますように。