推し燃ゆ以来の宇佐見さん。
以下、内容に触れます。
表紙が良いですね。惹かれる表紙。
本を読む前から少女の泣き顔が胸に迫る。
「おそらく誰にでもあるでしょう、つけられた傷を何度も自分でなぞることで
より深く傷つけてしまい、自分ではもうどうにも逃れ難い
溝をつくってしまうということ(抜粋)」
これはとてもある。
嫌だったこと、私の場合は特に腹が立ったことを何度も何度もなぞって
怒りを増幅させてしまいます。
うーちゃんが子どもの頃、かを「かに」だと思ってたり、
みっくんがありがとではなく「んりがと」と無自覚に言っていたり、
すごく細かいところだけどわかるなあと感じる、この絶妙のライン、
すごくセンスがいいなあと思います。
「人に言えん悩みは誰かに直接じゃなくて「誰かのいる」とこで
吐き出すことができるんです。(抜粋)」
これはすごい。SNSで吐露してしまう本質を言い表している言葉。
そうだ、みんな誰にも言えないけど、誰かのいるところで言いたいことを
吐き出しているんだなあ。