ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

かか/宇佐見りん 感想

推し燃ゆ以来の宇佐見さん。

以下、内容に触れます。

 

表紙が良いですね。惹かれる表紙。

本を読む前から少女の泣き顔が胸に迫る。

 

「おそらく誰にでもあるでしょう、つけられた傷を何度も自分でなぞることで

より深く傷つけてしまい、自分ではもうどうにも逃れ難い

溝をつくってしまうということ(抜粋)」

これはとてもある。

嫌だったこと、私の場合は特に腹が立ったことを何度も何度もなぞって

怒りを増幅させてしまいます。

 

うーちゃんが子どもの頃、かを「かに」だと思ってたり、

みっくんがありがとではなく「んりがと」と無自覚に言っていたり、

すごく細かいところだけどわかるなあと感じる、この絶妙のライン、

すごくセンスがいいなあと思います。

 

「人に言えん悩みは誰かに直接じゃなくて「誰かのいる」とこで

吐き出すことができるんです。(抜粋)」

これはすごい。SNSで吐露してしまう本質を言い表している言葉。

そうだ、みんな誰にも言えないけど、誰かのいるところで言いたいことを

吐き出しているんだなあ。