最近お気に入りの凪良ゆうさん。
以下、内容に触れます。
よかったです。面白かった。
色んな人の色んなつらいがあったけれど。
途中から、どうか鹿野君が消えてしまうエンドじゃありませんようにと
祈るように読み進めていました。
鹿野君、いてくれてよかった。
「自分の常識からはみ出す人に、心配という大義名分で気軽に引っ掻き傷をつける人がいる。言った方には特に悪意がないから余計にタチが悪い。(抜粋)」
心配って言葉は結構怖い。
凪良さんは今まで読んだ三作とも、
世の中的な常識とは外れているとみられてしまうけど、それでも幸せを
大事にしている人たちを描いているなと。
気遣いをみせたのにそれと同じ手で塩を塗ってくる千花ちゃん。
そういうことって結構よくある。
ただ自分もきっとやってしまっているなと。
普通に悪気なく話していても人を刺してしまうことはあるっていうことを
わかって生きていたいと思います。
絶対に刺さないというのはできないと思うけど、それをわかっているといないとでは
違うと思うので。
「自分はまっすぐ進んでるつもりでも、知らないうちに曲がってることもある。
けど仕方ないよ。まっすぐな道なんてものがそもそもないんだから(抜粋)」
目からうろこの鹿野君の発言でした。
確かにな、まっすぐな道って言っても本当にまっすぐなんてことありえないですし。
だからまっすぐに進めなくたって仕方がないなって肩の力を抜いて
歩いていきたいです。
それにしてもほんとうに、鹿野君が主人公と、死んでいても、
それでも一緒にいられるラストでよかったです。