ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

明日の食卓/椰月美智子 感想

こちらも初めて読む作家さん。

どうしても食べ物がらみのタイトルに惹かれる癖があるので

食卓という単語をみて手に取ったらなにやらおどろおどろしい内容の帯。

気になって読んでみました。

以下、内容に触れます。

 気になって一気読みでした。

どの家庭にもいちいち感情移入してしまって、話が次の家にうつるたびに

続きが気になってもやもやしつつ。

 

死んでしまった子どもがこの三家庭の子どもでなかったのが、

作者さんなりのせめてもの救いなのかな、と。

もちろんどこかで死んでしまった子がいるのは悲しいけれど、

感情移入してしまった家庭でそれが起こるとつらすぎる。

 

それにしても、父親たちの無責任さというか・・・。

彼らなりに思うところはもちろんあるのでしょうが。

家事育児は女の仕事、という世の中じゃない、といいたいけれど

根底でそう思っている部分が男も女も多々あるのが現実だと思います。

 

思い通りに育たない子ども、なんで、なんで、と思いながら戦う日々。

親というのは本当に過酷だと思います。

子どもには愛を、幸せな家庭を、もちろんそういうのも大事だけど

それだけじゃないことだってありますよね。

親だって一人の未熟な人間だ。

 

夫に頼まずに自分でやったほうが早いのに、それができない。

「自分だけが損をしているように感じてしまい、なにもしていない豊を

ずるいと思ってしまう。(抜粋)」

これが苦しいかな悲しいかな、わかってしまう。

友人だろうと恋人だろうと、たまに「損」を感じてしまうことってある。

好意だけでやっていたことでも、自分に余裕がなくなると損だと感じ始めてしまう。

友人だとそういうときは無理せず少し距離を置いて、自分に余裕が出来たら

また優しくできたりして、でも恋人だったり家族だったりすると

そうもいかなかったりする。

自分の余裕、もっていたい。

でも、無理せず、損を感じない相性っていうものもあるのでしょうか。