ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

ある男 感想

別の映画を観たときに予告で気になっていて。

ブラッシュアップライフのお葬式後の涙の演技が良すぎて安藤サクラさんが

気になっていて。

日本アカデミー獲ったと知って。

 

映画館で観てきました。

 

以下、内容に触れます。

役者さんたちの演技がすごい。

感情を言葉で多く語るシーンがそんなにないのに、

伝わってくる、すごい。

話自体は、大どんでん返し、ばばーん!みたいな話ではないですが

それでも間が持つ。

 

まず冒頭の安藤サクラさんの、文房具を整理しながらの泣きの演技で

グッと持ってかれました。

あの、たった今悲しいことがあったんじゃなくて、

この人は少し前にとても大きい悲しいことがあって、

どうしても引きずってしまって泣いているんだな

ってわかる泣き方。

 

そして窪田さんとのシーンは、ああ、この二人恋生まれるよね

っていう空気感で素敵でした。

窪田さんって、初めて拝見したときそんなにイケメンだとは

思っていなかったんですけど、この映画では

すごく格好いいなーと思いました。

そしてボクサーの筋肉すごかったけど役作りで鍛えられたのかしら。

だとしたらすごい。

 

窪田さんは、若いおんなのこと致そうとしてて、

鏡見ちゃったときのコントロールきかない

獣のような目がすごかったです。

 

そして柄本さんの演技。

とってもムカついて、とっても不気味で、

底知れない迫力。怪演!

短いシーンでしたけどとんでもない演技。

 

妻夫木さんが、なにも映ってないテレビ画面の自分を見つめ続けるシーン。

ここ一番怖かったかも。

結構じっくり時間とってあってすごい演出だなーと。

ボケた輪郭と真っ黒な目が、

自分なんだけど、自分、だよね、自分って…?と

不安になるような。

 

息子が、シンプルに「寂しい」と言っていたのが

とてもよかったです。

そうだよね。

あの家族は本当に幸せな時間をすごしていたんだと。

 

今回出てきたじぶんの力ではどうにもならないことで

わかりやすく生きづらい境遇の人はもちろんとして、

もっとわかりにくいけど生きづらい人もきっとたくさんいるわけで。

こうして映画で見るのと、

実際自分が出会うのとではやっぱり違っちゃうところがあって。

映画をみて感じた気持ちを大切に、

実生活でも忘れずに、自分の言葉や振る舞いをちゃんと見つめながら

生きていきたいです。