ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

きみは赤ちゃん/川上未映子 感想

妊婦にオススメとネットで見たので気になって。

川上さん名前はよく聞く割に小説も読んだことないんですが、

エッセイを読んでみました。

 

以下、内容に触れます。

共感できるところがとても多くてするすると、楽しく読みました。

 

子どもを作ることをきめて、でも性格的にできたらできたですごく不安に

なるんじゃないかと思っていたけど意外とそうでもない、と。

わたしも全く同じ感じでした。

なんか不安になってネガティブになるかと思いきや、

案外楽観的、浮足立ってる感じ。

自分の意外な面を知った感じで。

 

「つわり いつまで」で何度も検索をしたという川上さん。

めちゃめちゃわかる。

個人差あるし、そんなの調べても仕方ないのはわかるのに

めちゃめちゃ調べました。何回も。辛くて。

 

「どんな状態のどんな子どもが生まれてきても、

ありのまま引きうける覚悟で臨むこと(中略)そうできないなら

子どもを生んではいけないのではないか(抜粋)」

これは、昔からわたしがよく思っていたことで。

そう思っていたからこそ学生の頃から

あまり子どもを持とうという気持ちになれなかった。

結婚して、この人とだったらどういう状態の子どもが生まれても

なんとかやっていけるのではないかと思ったので

妊娠に踏み切ることができた、という次第で。

だからまあ結局私は出生前診断はしてないのですけど、

かといってする人が覚悟がないとかそういうのではないと思うのです。

どうするにしろ、皆真剣に自分たちと子どもとの人生を

想像して考えてとった行動に責められるべきものはないのではないでしょうか。

 

「漠然とした、けれども具体的な不安(抜粋)」

これもとてもよくわかる。

こうなったらどうしよう、こうなったら…とあれこれ考えて

夫に話すと、それ今考えて意味ある?

と言われることが多かった妊娠期間。

冷たいようにも思うけど、わたしが考えすぎて

ぐるぐるとがんじがらめになっていることが多かったので、

冷静な対処は結構ありがたかったです。

 

無痛を選ぼうとして、小説家なのにもったいない、と言われる話。

実際、クリエイターの方が、痛みを経験してみたい、と言っているのを

みたことがありますが、それは本人がそう思うのはいいけど

周りが強要するのって怖いですよね。

別にプロなんだから経験せずとも…

殺人事件書く人が殺人事件起こさなきゃかけないわけじゃないし。

痛み信仰の怖さ、たしかに。

 

「すべての出産は、親のエゴだから(抜粋)」

これは肝に銘じておきたいですね。

ほんと、だからこそどんな出産にも比べてやいやい言う権利ないし

この出産もわたしのエゴだ。

そういう覚悟はもっていたい。

 

夫さんが、川上さんが今何週なのか答えられなかったことを発端に

怒ってしまった、と言うお話。

いやー、これも、身につまされる・・・。

わたしも、かなり初期に夫が「胎嚢って何?」と聞いてきて

なんでそんなことも知らないのかとぶちぎれてしまった経験が…。

今思えばなんであんなに、と言う感じですが、

不安な中で、自分ばかりが必死になってる感じが嫌だったんでしょうね。

 

「わたしより大変な人がいる、わたしはまだましだと思わなきゃ、

というようなさもしい発想はもちろんなかったけれど(抜粋)」

この考えを、さもしいとばっさり言い切れる川上さん素敵です。

結構、思いがちというか、ありがちな思想だけど、さもしいですよね、本当に。

きをつけよう。

 

あとは、生まれてきたオニちゃんとの時間と自分の仕事の都合の

つけ方とか、わたしも同じことで悩みそうだなー、

今この大事な時間を…どちらにつかうか…とかで病みそうだなと

おもって読んだり。

産後読んだらまた共感がありそう。

 

案ずるより生むが易し、という言葉が男発信だったらまじむかつく

という話は笑ってしまいました。

確かに、生むの全然易しくないし、案じさせろや!