ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

風味絶佳/山田詠美 感想

山田さんは、僕は勉強ができないをかなり昔に読んで以来。

金丸さんの推し本ということで気になって。

 

以下、内容に触れます。

短編集。

 

金丸さんは文章の影響は受けてないといわれていまして、

「間食」を読んで、確かにあのブログの感じとは全然違うよなあと

思っていたのですが。

 

「風味絶佳」のグランマの過去を祖母談と父談を交え

ややディスリの意味合いを込めながら愛をもって軽快に語っていくところは

ちょっと金丸さんの文章と通ずる小気味よさを感じました。

 

いやよいやよも好きのうち、について。

「たったひとりにだけ、いやといいは同じ意味になるんだよ(抜粋)」

この台詞の破壊力たるや。

大正解すぎるけどこれ言えちゃう若い女の子ってツヨすぎます。

そしてこんなこと言っといて、

優しすぎる男はだめだとか言って、

さっさと昔の男のところに行っちゃうのがリアル。

 

「海の庭」の雰囲気がなんとなく好きでした。

最後でお母さんがしれっと「哲ちゃんは、そんなんじゃない」って。

そんなんじゃないっていいつつしれっと哲ちゃんよびしちゃうところが

良かったですね。

 

「アトリエ」自分のてをかけた水を飲ませたい。

という流れから、

「時折確認する彼女の小便の色は(抜粋)」という文につながったの

衝撃でした。

そんなしれっと・・・

彼女を大切にしたい気持ちは本当にあるんだろうけれど

彼女が幸せなことより自分が救うということが大切になってしまうと

不幸がないと続かない関係性になってしまう。

 

「春眠」はちょっとやだったなあ。

歳の差だろうがいちゃつこうが好きにすればいいですけど。

自由に生きればいいですけど。

でも、息子の友人と結婚するなら、息子がその子のことを好きとか

じゃなかったとしても

もうちょっと丁寧に報告すべきだし。

いちゃつきにキレられたときに「じゃ、見なければいい」って。

いやいやあなたが無理やり旅行連れてきたのでは・・・

ふたりで行きなよ・・・と思ってしまいました。