ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

悪いのは私じゃない 感想

2022/3/5 sat 岡山県天神山文化プラザにて

 

生で観るのは2回目のMONOさん。

4年ぶり。

 

以下、内容に触れます。まだ公演期間中なのと、

配信もあるそうなので。ネタバレ注意。

面白かったです。

大どんでん返し!とか急展開!大山場!みたいな派手さはなくとも

飽きずに2時間10分みられる会話劇。

 

コロナ禍だから密にならないようになのか

たまたまなのか、あまり皆が一気に出てこず

入れかわり立ちかわりの取り調べ。

それにしても会話のテンポが本当にすごい。

土田さんもとにかくテンポよくなるよう稽古すると言われてましたが、

なかなかこんなハイテンポでやり取りすることはないような。

MONOならでは。

 

とにかく中尾部長が。

最初は「こういう前時代的体育会系無自覚パワハラ上司、

嫌いだわ~」

と思ってみていたのですが、話が進むにつれ

どんどん可愛く愛らしくなっていく中尾部長に心持ってかれました。

素直すぎるでしょうよ。

最後の方で、カップルを囃し立てそうになってすーっとやめるところ

とても好きでした。

 

あと早坂さんね。

自転車の乗り方すごく気になる。

見た目の感じとキャラクターが良くあっていて好きでした。

キャラクターとしては面白かったけど、実際あの人

身近にいたら相当怖いなとは思いますけど。

あの盗癖は謝ってちゃんと治ればいいけど。

 

宮島さん。すごくわかるよ、と応援したくなります。

が、実際職場では煙たがられちゃうんですよねえ。

あの噛みつき方は若さですよね。

間違ったこと言ってなくても言い方とかタイミングが大事なんですよねえ。

でも、途中部長のおじさまたちがちゃんと宮島さんのフォローしてくれるのは

良かったです。

うるさい小娘って切り捨てずにちゃんと大事にしてくれている、

いい職場です。

そして、辻さんがフォローしてくれなくて

「こんな時くらい味方して」って思う感じもとってもよくわかる。

一番味方になってほしい人なのに。そういうとこだぞ!辻!

 

辻君の、中尾部長の悪口勢いよく言っちゃう感じも共感です。

もういやになっちゃうとダメなんですよね。

でも、謝ってもらって、すっきりできて、よかった。

わざと椅子大目に回っちゃう辻君に笑ってしまいました。

 

酒井さんはどんな悪いところが出てくるのかなーと思ったけど

折り紙好きでちょっとさぼっちゃうけどいいおじさんでしたね。

 

菊池さんの良い人感。金替さんの良い人オーラはいつもすごいですね。

北原さんと良いコンビだったので

ただの歳の差カップルで社内恋愛だから隠さなきゃいけないだけなんじゃないか説も

自分の中で生まれていたのですが、やっぱり不倫だったのですね。

 

新幹線(?)の音がどこに効いてくるのかなと思っていましたが

最後の社長の謝罪シーンにかぶってきて、素敵なシーンでした。

あのシーンに言葉はなくていいし、かといって無言、というのも違うので

あのノイズの中の謝罪はよかったです。

あれがいいシーンだったので、あ、ここで終わりでもいいのにまだ続くのか、と

ちょっと思ったのですが、でもあの最後の一幕は必要な一幕ですね。

なんとなく二人の陽気で笑える雰囲気のせいであんまり責める気持ちに

なってはいませんでしたが、でも不倫は不倫。

嫌な思いをする人はいるだろうし、許せないと思う人もいるだろうし、

なので、ちゃんとあの二人もけじめをつけてくれて、

すっきりしたなという気持ち。

 

あの頃は酷かったけどいい思い出だよな、ってやつ。

ひどい目にあった人が、気持ちを軽くするためにそう思うのはいいけれど

「あれはよかったよな!」って強要したり、「だから今のやつらだってそうしろ」って

巻き込んだりするのは違いますよね。

よくある光景だけど、だめ。

 

ボールペン、全然あげるけど、自分のものみたいに持っていかれるといやって

すごく共感。

ちゃんと誰相手にでも謝れる人でいたいものですね。

謝ったらうまくいくことばかりではないけれど、

それでも謝ればうまくいくのにってことはいっぱいあるはず。