ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

金木犀とメテオラ/安壇美緒 感想

この前読んだのがよかったので、安壇さん二作目。

以下、内容に触れます。

ひえー、面白かった!

一気読みしました。

天龍院~…も面白かったけれど、安壇さん二作目にして

とても筆力が上がっているというか、純粋に文章上手い!と思うところが

多くて、すごく楽しく読みました。

 

宮田がボロボロになって自信を失っているときの、杉本さんの話が

とてもよかったです。

自分のダメなところとか、弱さを見せてくれるところが、刺さりました。

「もし、宮田さんが、私もここにいていいって思ってくれているんなら、

それは絶対に宮田さんもここにいていいってことなんだよ。

この意味わかる?」(抜粋)

宮田はひねくれものに見えて、結構素直なんだよな。

杉本さんに対する姿勢も、なんの曇りもない。

そんな宮田にだからこそ伝わってほしいこの言葉。

 

宮田がやっぱりピアノを弾きたくなった時の馨もよかった。

「これは宮田の話でしょ?」(抜粋)

負けず嫌いでめんどくさい子かと思いきや、

これが言えちゃう馨、かっこよかったです。

 

そして、なんせみなみがよかった。

みなみちゃん大変に大人で、素敵な人。

宮田、みなみちゃんがいてくれてよかったね。

大事にしろよ!

 

気の合わない人も性格悪い人も、でも仲いい瞬間があったり

いいヤツな時もあったり、

中学生なんてこんなもんだとなあと。

 

周りが恨めしいことも自分が絶望することもあるけれど、

少女たちよ、君たちはこれからまだなんだってできるんだぞと

言ってあげたくなる良本でした。

そして、これは他人事じゃなくて、自分の胸にも。

これからまだなんだってできるんだぞ。

 

安壇さん、これからの本が楽しみな作家さんと出会えてうれしいです。