この前読んだのがよかったので、安壇さん二作目。
以下、内容に触れます。
ひえー、面白かった!
一気読みしました。
天龍院~…も面白かったけれど、安壇さん二作目にして
とても筆力が上がっているというか、純粋に文章上手い!と思うところが
多くて、すごく楽しく読みました。
宮田がボロボロになって自信を失っているときの、杉本さんの話が
とてもよかったです。
自分のダメなところとか、弱さを見せてくれるところが、刺さりました。
「もし、宮田さんが、私もここにいていいって思ってくれているんなら、
それは絶対に宮田さんもここにいていいってことなんだよ。
この意味わかる?」(抜粋)
宮田はひねくれものに見えて、結構素直なんだよな。
杉本さんに対する姿勢も、なんの曇りもない。
そんな宮田にだからこそ伝わってほしいこの言葉。
宮田がやっぱりピアノを弾きたくなった時の馨もよかった。
「これは宮田の話でしょ?」(抜粋)
負けず嫌いでめんどくさい子かと思いきや、
これが言えちゃう馨、かっこよかったです。
そして、なんせみなみがよかった。
みなみちゃん大変に大人で、素敵な人。
宮田、みなみちゃんがいてくれてよかったね。
大事にしろよ!
気の合わない人も性格悪い人も、でも仲いい瞬間があったり
いいヤツな時もあったり、
中学生なんてこんなもんだとなあと。
周りが恨めしいことも自分が絶望することもあるけれど、
少女たちよ、君たちはこれからまだなんだってできるんだぞと
言ってあげたくなる良本でした。
そして、これは他人事じゃなくて、自分の胸にも。
これからまだなんだってできるんだぞ。
安壇さん、これからの本が楽しみな作家さんと出会えてうれしいです。