TVか何かで見かけたのか、誰かから勧められたのか、
記憶にないですが読みたい本リストにあった本。
この前読んだ辻村さんの本か、と思って読んでみることに。
以下、内容に触れます。
ほぉー、なかなかソリッドな短編集。
これは面白いけど、心が安定してる時じゃないと読むのしんどいかも。
ホラーでもグロでもないけれど、ゾッと怖い感じ。
でも目の付け所がとても面白かったです。
ほんと、タイトル通り、会話噛みあってない。
過去って、同じ過去を経験していても、それぞれの過去がある。
子育ての成功とは、という話で、人に迷惑をかけない大人になることは
大事だけれど、本当の正解は
「成長した子どもが、大人になってから親の子育てを肯定できるかどうか(抜粋)」
じゃないか、という発言には、うーんと思わず唸ってしまいました。
確かになあ。大人と子どもである親子が、大人と大人になったときに
対等に付き合えるかどうかというのは大事なことだなと。
尊重。
自分の子ども時代をふりかえって
「空気が読めず、自意識ばかり一人前で、人望はないのに目立ちたがり。(抜粋)」
と客観視して言えるのは結構すごいような。
ただ、そういう気に食わないこがいたとして、それを放っておかずに
わざわざバカにする労力はどこから来るのか、きいてみたいというゆかり。
そういうのありますね、放っておけば害がないのに、
嫌い嫌い嫌いと攻撃的になっている人。
あれはほんとうになんでなんだろう。
大人になってもそういうのみると胸がしんどくなるし、それと同時に
自分もそういうことをしないように気をつけないといけないと思う。
結局これだけ責められた早穂が、自分だけじゃなかったのに
自分が目立っていたから責められたんだ、と思って終わる終わり方が
すごくリアル。
ナベちゃんのヨメ。
どんなにヨメがやばそうだとしても、結局ナベちゃんが幸せを感じる
相手といるのが一番なのかも。
ナベちゃんを本気で大事にしていない人がとやかく言う筋合いはない。
パッとしない子。これは全教員に読んでほしい。
なんか、先生って、こういう人いる。
なかなかない感じの本で面白かったです。
辻村さん、また読もう。メンタルが健康な時がよさそうだな。