ゆるかん

赴くままにゆるゆるっとした感想を。観劇・読書など。残念ながら頭のいい考察などはできません。「私も読んだ!観た!」な方の感想聞きたいです。お気軽にぜひ。

私たちの世代は/瀬尾まいこ 感想

本屋さんで瀬尾さんの新刊を見つけたので

もちろん購入。

 

以下、内容に触れます。

感染症、いじめ、ひきこもり、ネグレクト、親の死などなど

結構暗い話がどどっとありましたが、

瀬尾まいこさんの本なので最後は爽やかに希望があるだろうと

安心して読めました。

 

蒼葉くんが素敵すぎる。蒼葉君とお母さん、大好き。

 

お母さん、いつも明るくて前向きで、とてもエネルギーのあるお母さん。

だけど、死を前にして、娘のためにすべきことはまずなにより

母親である自分の身体を大事にすることだったのか、と

気づき後悔するところがとても切なかったです。

娘のためにと笑顔でいろんなことを頑張ってきたお母さんだからこそ。

 

蒼葉くんが、冴ちゃんと住んでる世界が違う、と言っていたのは、

進学の産むとかそういう話かと思いきや。

「愛情を受けてきた人ってこんなにまぶしいんだって(抜粋)」

という発言。

確かに、他にも人を形成するのには沢山の要素があるけれど

愛情をどれだけ受けて生きてきたか、というのは

かなり大きなパーツだよなと思います。

誰からでも、自分が愛されているという自覚を持てる時期が

どれくらいあるかで、人の生き方は大きく変わるなと。

 

心晴のお母さん、教育ママっぽい押しつけがしんどいなーと

思いながら見ていましたが、

就職したことより友達とご飯に行くことを喜んでいる姿をみて

子がどう受け取るかはさておき、彼女なりにはずっと精一杯の愛を

注いでいるんだよなと。

まあ、愛しているからこそ、愛の押し付けにならないよう

親は子どもと自分の関係性をどうにか客観視する部分を持たなくては

いけないんだろうな、とも思います。

 

ディスタンス世代、って言葉は…本当にあるのかな?

ないとしても、確かにコロナ禍で育った世代は言われそう。

突然の世界の変化で、思ってもみない数年があったけれど、

そこで慌てふためき翻弄されながらも

必死に生きた皆へのあたたかいエールのような本でした。

いつか、すごく先にこの本を読んだ人は、

こんな時代をフィクションのように思うんだろうな。